2007.06.23 DUO MUSIC EXCHANGE
今回も会場にはDVD『Pop meets Jazz selection1』が流れ、LIVEへの期待で胸が高鳴り、騒めく会場の中、EAST QUEST QUARTETのメンバーが登場し、『THIS IS ALL I ASK』で幕を開けた。静かに心へ染み渡るナンバーで、あっという間に会場をJazz色に染め上げる。そしてホスト役の西村麻聡(FENCE OF DEFENSE)が登場。サングラスをかけ、全身を黒に統一した衣装でキメている。それもそのはず、今回のテーマは『大人』―じっくり深く、楽しんでもらいたい―との事。
ドラマに主題歌がなければ始まらないように、PMJもこれがなければはじまらない!『SARA』が始まると、もうすっかりお馴染みのテーマ曲に、客席も軽く体を揺らして応える。暖かい拍手に包まれ、続くはFENCE OF DEFENSEの『Lies & Reason』ベースのイントロにスキャットが絡む。「夏の夜が影をおろす…」ブルーな感情を表現したアレンジはさすがである。ラストのSaxと歌の絡みは鳥肌もの!
早くもラスト曲になってしまった『Juvinola』はアップテンポで始まった。マイナーキー佳曲で、色っぽく艶っぽく唄う西村の歌声にバシっとキメを合わせて終了。一瞬その演奏に圧倒され、静まり返った客席だが、すぐに割れんばかりの拍手で感謝を表した。
E.Q.Qを大歓声の中送り出した後は本日のスペシャルゲスト、ジャズシンガー大野えりと、ベーシストの日野JINO賢二の登場。今回は趣向を凝らして、ジャズミュージシャンがPOPSに挑戦という逆PMJ、すなわち、Jazz Meets Popsを実現。日野のスラップベースから始まったのは美空ひばりの代表曲『真っ赤な太陽』。誰もが知ってるこの曲を、恐ろしいまでの声量と表現力でこなしていく大野。途中、これまた凄まじいベースソロを挟んでラストまで観客に魅せつける。最初、ボーカル+ベース+西村のパーカッション(ジャンベ)という変則編成で、どの様なステージになるのか想像も付かなかったが、やがて溜め息に変わり、そして曲が終わると大歓声。まさにジャズ界からの『黒船来航』である。次の『Every Breath You Take』ではベースのコード分解アルペジオをバックにねっちりと(笑)歌い上げた。続いて日野がボーカルをとったビートルズの名曲『Come Together』。ワゥの効いたベースを弾きながら歌う日野。途中大野も参加し客席との賭けあい、まさにNew Yorkのジャズセッションの装いである。
ラストは西村、日野は退場しE.Q.Qのメンバーが登場しポップスの曲とジャズの曲を融合させた『Bye Bye Blackbird』をスローにフリーに歌う大野、途中ジャージーに染まる場面では鳥肌ものの感動を憶えた。本物のジャズシンガーの奥深さをマジマジと魅せつけられたステージだった。
休憩をはさみ、織田、未唯mie、西村の3人で繰り広げられたお楽しみのトークタイム。実はこの3人、同じ年だという。しかも、織田と未唯mieは誕生日が3日違いだとか。「それだけ近いと運命も似ているんじゃない?」と言う未唯mieに織田は「全然違っていましたよ!」と苦労話を語る。また昔、某女子高でピンク・レディー大会があって、今と違いカラオケなんてものはないからその伴奏を北島健二氏と一緒に演っていたなど裏話も飛び出した。あの頃から思えば、一緒のステージに立つなんて思わなかったと感慨も一入。
他に『ジャズとの出会い』などを各自語った。
トークタイムに続いては『渋カッコイイ』織田哲郎のステージ。数あるレパートリーから何を聞かせてくれるか興味津々だったが、1曲目はアグレッシヴな名曲『BOMBER GIRL』この曲では西村もコーラスで参加。気持ちよくスウィングしたビートに織田と西村の絶妙なボーカルハーモニーが乗り、客席から自然と拍手が起こる。いつもはギターを弾きながら座って歌うことの多い織田だが、次のスローバラードにアレンジされた『いつまでも変わらぬ愛を』では立ち上がり熱唱。より歌詞の世界に入り込みやすく、この曲を待っていた方も多いはず。究極の胸キュンソングである。『Fly me to the moon』をはさんで、これまたPMJ史上初アコースティックギターの登場である。いつもは馴染みの深いギターだが、PMJでギターが使われるのは実は初めてだ。織田の今の心境を表したという新曲『もう少しがんばってみよう』では自ら弾くギターバッキングもすごくカッコいい。ラストは「我ながらうまく出来た」という『世界中の誰よりきっと』軽快なビートアレンジでラストに相応しい盛り上がりを魅せてくれた。織田の作り出すメロディはどれもが入り込みやすく、肩の力を抜いて聴ける、癒しのメロディである。
大トリを務めるのは、間違いなく歌謡史に残るピンク・レディーの1員だった未唯mie。客席が何を望んでいるかをよく熟知している未唯mieの1曲目は妖しげなイメージにアレンジされた『ウォンテッド(指名手配)』。歌いだすまで何の曲だかわからないところがPMJの楽しみの一つでもあり、観客もメロディがわかったところで一喜一憂する姿も楽しい。元曲のインパクトが強すぎて困ったらしいが、ジャンベをフューチャーしながら小刻みにステップを刻む2曲目もピンク・レディーの名曲『カルメン'77』。そして今回のPMJ一番の難解アレンジである『Spain』スローからサンバのリズムに変わり、早口の歌とユニゾンを決めて…と曲が終了した時、未唯mieからも安堵の溜め息が漏れ、E.Q.Qのメンバーも大満足の演奏にほっとしているようだった。次の曲はガラっと変わったスローバラードの『Alfie』。そして、未唯mieのソロ曲からお気に入りのアレンジに仕上がったという『LOVE JAIL.』そしてデビュー30周年にしても、なお意欲的な未唯mieからのプレゼント『Eternal Gift』普遍的王道POPSメロディを優しく、大人の魅力で歌いあげた。
最期はお約束のセッション大会。各アーティストのヴォーカルスタイルの違いが楽しめる贅沢すぎるセッションでは、今回は夏ももうすぐ、ということで、『The Loko-Motion』を出演者全員で送る。本番が終わり、緊張から解き放たれて楽しそうに歌う姿が印象的。日野の早弾きベースもキまり、ラストのコーラスは全員でハモリ、大盛り上がりで今夜のPMJも幕を閉じた。
Vol.6は早くも来月と決まっている。次回はどんな趣向で楽しませてくれるのか…。興味が尽きない。
(文:貞真由美/貞儀憲) (Photo by 西田 樹)
大野えり 日野賢二 織田哲郎 未唯mie 西村麻聡
EAST QUEST QUARTET Sax:高野正幹 W.Bass:小井政都志 Dr:市原康 Pf:青木弘武
| M1 | THIS IS ALL I ASK | EAST QUEST QUARTET |
|---|---|---|
| M2 | SARA | 西村麻聡 |
| M3 | Lies & Reason | 西村麻聡 |
| M4 | Juvinola | 西村麻聡 |
| M5 | 真っ赤な太陽 | 大野えり with 日野賢二(E.Bass) |
| M6 | Every Breath You Take | 大野えり with 日野賢二(E.Bass) |
| M7 | Come Togther | 大野えり with 日野賢二(E.Bass) |
| M8 | Bye Bye Blackbird | 大野えり |
| トークタイム | 未唯mie/織田哲郎/西村麻聡 | |
| M9 | BOMBER GIRL | 織田哲郎 |
| M10 | いつまでも変わらぬ愛を | 織田哲郎 |
| M11 | Fly me to the moon | 織田哲郎 |
| M12 | もう少しがんばってみよう | 織田哲郎 |
| M13 | 世界中の誰よりきっと | 織田哲郎 |
| M14 | ウォンテッド(指名手配) | 未唯mie |
| M15 | カルメン'77 | 未唯mie |
| M16 | Spain ( Ican Recall ) | 未唯mie |
| M17 | Alfie | 未唯mie |
| M18 | LOVE JAIL. | 未唯mie |
| M19 | Eternal Gift | 未唯mie |
| EN | The Loco-Motion | 未唯mie/織田哲郎/大野 えり/日野 賢二/西村麻聡 |